[話題の医学] 不活化ポリオワクチンの摂取と問題点

2013年5月 9日 カテゴリ: 病気

新潟大学医学部小児科教授 齋藤昭彦先生が不活化ポリオワクチンの適切な摂取の仕方について解説してくれました。

ポリオワクチンは、2012年9月に、生ワクチンから不活化ワクチンへと切り替えられました。
また、2012年11月に、不活化ポリオワクチンを含む4種混合ワクチンも導入されています。

ポリオウィルスの特徴

ピコルナウイルス科 エンテロウイルス属
血清型:1,2,3
自然宿主:ヒトだけ
感染経路:経口感染、咽頭や小腸粘膜で増殖し、血流に入る
病態生理:血中を循環したウィルスの一部が脊髄を含む中枢神経系に感染、運動神経ニューロンを傷害し、脊髄前角炎を引き起こす。

ポリオ感染症の潜伏期間

6日から20日ですが、多くの人が感染しても症状が現れない不顕性感染です。

ポリオ感染症の症状

4パーセントから8パーセントの患者は発熱、頭痛、嘔吐、吐き気、首や背中の硬直、四肢の筋力低下などの症状が現れますが、回復します。

ポリオ感染症の後遺症

ポリオ感染症患者のうち、麻痺が起こるのは患者の中でも0.5パーセント程度で、運動神経細胞の不可逆的障害により、弛緩性麻痺が現れ、永続的な後遺症となります。

ポリオ感染症による致死率

麻痺が起きた場合、呼吸筋の麻痺などが起こり死亡することもあり、死亡率は成人で15パーセントから30パーセント。小児では2%から5パーセントとされています。

ポリオ感染症の治療

ポリオ感染症に特異的な治療はなく、対症療法となりますので、予防が非常に大切なウィルスです。

ポリオ発症の予後

小児ポリオを発症した30年から40年後に25パーセントから40%の患者が筋肉痛や筋力低下、新たな箇所の筋力低下や麻痺などを引き起こします。
これをポストポリオ症候群と言います。

ポストポリオ症候群の原因

ポリオ感染症の感染急性期に、肥大した運動ユニットが作られます。これが時間の経過で崩壊することが原因とされています。


日本では、生ポリオワクチンが1960年台に使われます。1964年から定期予防接種することになり、ポリオ患者は激減しました。 1980年代以降のポリオ感染症の症例はすべて生ワクチンに関連する麻痺症例だったことから、諸外国では生ワクチンから不活化ワクチンに切り替わりました。 日本では2012年の9月から、海外の不活化ポリオワクチンが承認され、2ヶ月後の11月には国産の不活化ポリオワクチンが承認されました。これが4種混合ワクチンです。

不活化ポリオワクチンの副反応

腫脹が起きたり、肌が赤くなったり、熱が出たりします。
海外では安全に長期使用された実績があり、特異的な副反応は報告されていません。

混合ワクチン(3種混合ワクチン)の副反応

不活化ポリオワクチンの副反応と同じす。
特異的な副反応は報告されていません。



諸外国ではポリオワクチンの摂取タイミングの最後を4歳から6歳の活動期になる前に定めています。しかし、日本では、ポリオワクチンの摂取タイミングの最後は12ヶ月から18ヶ月としています。
現在行われている治験などの結果によって、日本国内でも追加接種が行われる可能性もあります。

【番組の感想】

ポリオ感染症は治療法がない感染症で、予防がいかに大切なのかをしっかりと学ぶことが出来ました。
一度症状がなくなったからと安心できず、ポストポリオ症候群にも気をつけなければなりません。いないと思いますが、予防接種なんて面倒だと思っている人は、何故予防接種が必要なのかを細かく調べてから行動してほしいですね。

また、成人の致死率が高く、恐ろしい感染症であることを再確認でき、良い時間を過ごすことが出来ました。

2013年4月21日放送 「話題の医学」より

名前:カペラ
どうも、カペラです。健康にまつわるテレビ番組、雑誌、ニュースなどを見かけたらまとめています。人に健康に関して教えるのも好きですし、自らまとめることで自分の知識を高めようという思いもあります。
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